○男3人バックパックの旅

BARCELONA

Santa Coloma de Cervello
○1987年11月2日,月曜日 (快晴)

Capella de la Colonia Guell
 早朝のバレンシア海岸を列車は走っていた。太陽が昇る地中海を眺めながら夜行列車は静かにバルセロナ地下駅に到着した。
バルセローナ・サンツ駅。以前ツアーで来たときに発見したグエル邸の前のホテルガウディを訪ねる。意外と安く,3人部屋で風呂は別だが3泊で一人3000円弱。即決した。北側にルーフバルコニーのある部屋だった。
 13:00ホテルを出る。コロニアルグエルのあるSanta Coloma de Cervelloへ向かうはずが地図に載っていないことも手伝ってバルセロナの東の端のメトロのSanta Coloma駅に来てしまった。あたりまえだが,探してもそこにコロニアルグエルはない。スペイン語がわかるわけでもないがなんとか情報を得ると,市電で西に向かうらしい。正反対だ。もう1時間以上ロスしてしまった。日暮れの早い晩秋,日没までにたどりつくだろうか。すぐに引き返し,エスパーニャ広場から,カタルーニャ鉄道でガウディ未完の教会堂コロニアル・グエル教会に向かった。
 日没には間に合ったが,撮影には日が傾きすぎていた。教会の造形に言葉を失ってぼーっとしている3人を見て気のよさそうなおじさんが近づいてきた。中を100p.で案内するという。ここまできたんだいってみましょう。おじさんは,正面の鉄の扉の鍵を開け,蝶の羽の形をしたステンドグラスの窓を開けてくれた。さらに建築の学生と知ってか,この教会の構造模型の逆さ吊りの実験の様子を写した写真のある部屋へ案内してくれた。スペイン語で説明されてもわからないが,僕らにはその写真だけで十分満足だった。確かにガウディの作品集のなかに小さく載っていたあの模型の写真だ。
 型の上に石を組んででき上がったこの放物線の柱をもつこの建築。職人は完成を前に絶対に崩れてしまうと思い,支柱を外すことを拒んだそうだ。ガウディは自信をもって外すように指示をした。それにはこの模型の10年に及ぶ実験による裏付けがあったのだ。上部は完成することはなかったが,できていれば…。半地下の教会は利用されていた。そこにある椅子もガウディのそれである。
 柱が斜めに見えるのはカメラレンズのあおりのせいではない。実際に放物線を描いているのだ。

 バルセロナ1泊目-
Hotel Gaudi : ☆☆☆
(Conde del Asalto,12
Barcelona)

SPAIN

BARCELONA

1987.11.02